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DAYS

第36章 Mine S×A





「落ち着いた?

え、寝たの?」


トントンと優しく背中を叩くリズムが
心地よくて、ただされるがままになってたら
時間が経っていたらしい。

雅紀が俺の顔を覗き込んでくる。


「寝てないよ。」
「そっか。
お風呂は?」
「入った。」
「ご飯は?」


食べていないと横に顔を振れば、

「じゃあ何か作るよ。」

そう言って立ち上がろうとする。


「いや、いいよ。疲れてるだろ? 」
「俺がしたからいいよ。」
「買い物行ってくるよ?俺。」
「翔ちゃんも疲れてるんだから。

今日は俺が作るの。」


俺の料理、嫌いなの?

瞳をウルウルさせて、そんなことを
聞いてくるもんだからタチが悪い。

そんな訳ないじゃん。
だって美味しいんだもん。雅紀の料理。


「…じゃあ手伝う。」


いつも、「座ってるだけで十分。」って
遠回しに断られちゃうんだけど、

「じゃ、一緒にやろっか。

翔ちゃんと近くにいれるし、
そっちの方がいいもん。」


雅紀の笑顔から、マイナスと温かさを感じる。


…簡単な事だった。

信じればよかったんだよ、雅紀のことを。

俺だけを見てくれてるんだって、
それだけを俺は信じればよかった。


「さ、作ろ!」


俺の手を取って、立ち上がろうとした時
「…痛っ。」って小さな声が上がる。

何だか足を気にしているようで、
気になって雅紀の方を見てみれば、

がっつり破けたジーンズと、少し
血で汚れたシャツ。

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