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DAYS

第36章 Mine S×A





「雅紀!」
「あ…。大丈夫だから!」


怒られるのかと思ったのか、
雅紀は必死に大丈夫アピールをしてるけど
傷はひどいらしい。


「ガラス片刺さってるぞ!
病院に行こう。な?」
「え、やだよ!この歳になって、
転んで病院なんて!」
「そんな悠長なこと言ってられっかよ!」


ぎゃあぎゃあ2人で言い争ってても
埒が明かないから、思い切って雅紀の膝を
ぐいっと曲げてみると、

「いったぁ!」

涙目で俺を見てくる。


「ほら!やっぱり痛いんだろ!」
「ううー…。」
「深いところまで刺さってる。
とりあえずこれ、抜いた方がいいのか?

ってかどこで転んだんだよ。」
「…タッキーの車から飛び降りた時。」
「は?」


信じられない言葉が次々と
俺の耳に入ってくる。


「バカか!」

もっと自分の体を大事にしろよ。

危ないのわかってんだろ?

仕事のことまで考えたのかよ。


問い詰めれば問い詰めるほど、
雅紀の瞳はウルウルと揺れてくる。

言いすぎたと思った頃には、
一筋の涙が零れたあとだった。


「だって…。翔ちゃんがっ、心配
だった、んだもんっ。」
「悪かったよ。ごめん…。」


子供みたいにわんわん泣きわめく雅紀を
正面からギュっと抱きしめた。

こうやって、本当に雅紀が愛おしいと
思って抱きしめたのはいつ以来だろう。

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