
DAYS
第36章 Mine S×A
『信じることは簡単なこと。
疑うよりも気持ちがいい。』
そんな歌があったのをふと思い出した。
付き合いが長くなって、雅紀のことを
知れば知るほど深読みするようになって、
正面から向かうことに億劫になってた。
ああなんじゃないか。
こうなんじゃないかって、勝手に自分の中で
完結して終わらせてた。
もう間違えない。
これからも嫉妬はするだろうし、
不安になることだってある。
だって雅紀、色んな人から
狙われちゃってるし。
本人が気が付いてないのもまたタチが悪い。
だけど仕方がない。
そんな人を好きになって、
そんな人が好きなんだから。
みんなに愛される雅紀も好きで、
どんな人も魅力する雅紀が好きで、
とにかく好きなんだ。
あれから、滝沢くんとはちゃんと話をした。
きっぱり言ってやった。
「雅紀は俺のだ」 って。
雅紀もきちんと断ったみたいだし。
本人は納得してないみたいだし、
まだ油断は出来ないけど、でも心に余裕が
ある分、怖くはない。
怖くはないけど、それでも…ね?
「ねぇ、翔ちゃん。」
「ん?どした?」
「タッキーからご飯に行こってー…」
「ダメ。絶対ダメ。ダメダメ。」
「何か前よりも心が狭いよ、翔ちゃん。」
「うっせ。」
-end-
