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DAYS

第36章 Mine S×A





上目遣いで、しかも飛びっきりの
色気を振りまきながらそんなことを言う。

体中の血が上ってくる。


「でも、雅紀が痛いだろうしー…」
「俺はいいから。

今日はね、翔ちゃんを感じてたいの。」


だからお願い…。

俺の耳元でそう囁いた雅紀を
押し倒しそうになるけど、唇をきつく噛んで
踏ん張ってみる。


「今日はやめとこう。な?」
「やだぁ…っ。」
「やだって…。」
「だってじゃないと翔ちゃん、
いなくなっちゃうっ。」
「え?」


いなくなる、なんて聞き捨てならない事を
言うから、思わず体を起こして聞く。


「いなくならないよ。」
「嘘だ…。

だって、夜中に起きてたでしょ?
起きたらいつも隣にいないんだもん。」


そこまで言って、とうとう泣き出した。

淋しかったって涙を流していう雅紀の姿は
悲しすぎて、すぐにぎゅっと抱きしめた。


バレてないと思ってたのに。

何かいろんな事を考えたんだろうな。
ひとりで悩んだんだろうな。


「違うよ。そうじゃない。」


誤解を解くように、ひとつひとつ
説明していく。


滝沢くんから雅紀のことが好きだって
聞いた時から、不安だったこと。

そのせいで眠れなくなってたこと。

お酒に頼ったこと。

最後には、薬にも手を出したこと。
全てを話した。


そうしたら、雅紀は

「ごめんね。」って謝るんだ。


「俺、翔ちゃんだけだからね。」

って。

うん。知ってる。

ごめんな。俺が弱いから。
俺が信じきれなかったから。

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