
DAYS
第38章 SUPER×2 LOVE SONG A×S
S side
雅紀と付き合ってから、もう1年。
甘い雰囲気になったのは、
もう半年以上前のこと。
雅紀が病院から帰ったあの日だけ。
あの日以来、あんな雰囲気に何かならない。
「はぁぁぁ。」
大きなため息をついたところで、
なーんにも変わんないんだけど、でも
つかないと気が済まない。
「…俺って魅力ないのかな。」
自分で言ったくせに、ズキンと心が痛む。
雅紀の帰りを今か今かと待ってる俺。
料理も出来るようになった。
断れる仕事の付き合いは断って、
出来るだけ一緒に居られるようにもしてる。
部屋の掃除だって頑張ってるし。
…これって重たいヤツなのかな、やっぱり。
気持ちが冷めてきてる、とか。
「いやいやいやいや、ないないない…。」
口では否定してるけれど、でも
頭の中を巡るのはネガティブな思考。
真っ黒なところへ堕ちてしまいそうな時、
いつも絶妙なタイミングで、
「ただいまー。」
「あ。
おかえりー。」
雅紀は俺を救い上げてくれる。
「ふふ、翔ちゃんだぁ。」
嬉しそうに俺を見て微笑むところを見れば、
さっきまで考えてた事なんてパッと消える。
「ご飯は?」
「食べてない。だって、翔ちゃん
作ってくれてるでしょ?」
「うん。」
「やった。」
今日仕事頑張ってよかったーって
大きな伸びをしてる。
大袈裟だよって思うけど、でも嬉しいんだ。
そんな雅紀に、やっぱり何かしたいなって。
ベタだけどトクベツなことを。
