
襲われちゃう女の子
第3章 家庭教師のアルバイト
どうしよう、本当に満点取るなんて思ってなかった。
私は「えっと」と目を泳がすと本当のことを口にする。
「ご、ごめんなさい。やっぱり廉くんとは付き合えないの!」
「は?」
「っ……」
今まで聴いた中で1番低い彼の声にビクッと体が震える。
まるで私を睨みつけるような視線を向けられて思わず後ろに後ずさった。
「なに、約束破るの?」
「そ、その……本当にごめん」
「謝って済む?」
「……」
こんなに怒った廉くんは初めてかもしれない。
私が嘘をついたから怒ってるんだ。
「でも、廉くんは私じゃなくても彼女出来るよ。モテるでしょ?」
「なんでモテると思うの?」
「だ、だって……格好いいから」
顔の整っている彼が何故年上の私を選ぶのかが分からない。
すると廉くんは私の言葉にはぁと溜息を吐く。
「俺は彼女が欲しいんじゃなくて、美奈子ちゃんが欲しい」
「っ……」
「一目惚れなんだけど」
一目惚れって、私が家庭教師としてこの家に来た日に?
信じられないと赤い顔で頭を振ると彼は「でも」と、
「そんな美奈子ちゃんが嘘を言うなんて、信じられない」
「ご、めん……許して」
「許さない」
彼は立ち上がると私に近付く。
「許すわけないでしょ」
そして突然私の唇に噛み付いてきた。
