
襲われちゃう女の子
第3章 家庭教師のアルバイト
翌日、
「あらあら、美奈子先生今日は早いですね」
「そ、そうでしたか?」
廉くんの家に訪れるといつものようにお母さんが出迎えてくれた。
「そういえば最近廉ったらちゃんと真面目に授業を受けるようになったって学校の先生から連絡が来たんです。家でも勉強してるのを見かけるし」
「本当ですか?」
「ええ、美奈子先生に来ていただいてよかったです」
これからも廉のこと宜しくお願いします、と言われ、私はえへへと顔を歪める。
そして2階の彼の部屋に向かおうとした時、彼女は何かに気が付いたように「あ、」と声を挙げた。
「美奈子先生、何だか最近可愛らしくなられましたね」
「へ?」
「いや、ずっと前から可愛い方とは思ってましたが。もしかして恋人でも出来たのかしら」
「っ……」
恋人……
「恋人は、いないんですけど」
「あら、そうなの?」
恋人はいないんですけど、ね。
私はお母さんの問いから逃げるように階段を駆け上がると廉くんの部屋をノックする。
中の方から「どうぞ」と声がするとドアを開けて中に入った。
椅子に座っていた彼がこちらを振り向く。
「美奈子ちゃん、いらっしゃい」
「……」
「今日もいろいろ教えてね」
そう言って微笑む彼はやはり年相応の男の子に思えた。
