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ペットではなく家族です。
第6章 コウの場合
コウ「…」
奈穂子「…」
最後の最後
寄ったのはコウの場所
コウは奈穂子の姿を見つけるとすぐに
いつもの場所、窓ガラスギリギリ
その場所へ移動し
伏せをした
奈穂子「…失敗…しちゃった…」
コウ「…」
奈穂子「彼の両親と会って結婚の挨拶…
したんだけど…だけど…」
コウ「…」
奈穂子「っ…彼、は…結婚したら仕事…
仕事は辞めて欲しいって…でもっ…う…
私は…」
コウ「…」
泣きながら
涙を鼻水を流しながら
今夜あった出来事をコウに全て話した
自分の気持ちを
そしてこれからの事を…
奈穂子「私、は…仕事、辞めたくない…
から…だから…」
コウ「…」
奈穂子「最悪…彼と…」
男性「そこにいるの…谷口さん?」
奈穂子「!!」
現れたのは
小川孝、29歳
懐中電灯を持ってる事から
今夜は彼が宿直で園内の見回り中だった
ようだ
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