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ペットではなく家族です。

第6章 コウの場合



孝「まさか同じ考えの人がこんな身近に
いたなんて」

奈穂子「本当…」

孝「あっ僕、そろそろ行かないと」

奈穂子「色々話せて良かった、動物達の
為にも見回り頑張ってね」

孝「はいっ、おやすみなさい」

奈穂子「おやすみ」


彼のおかげで
気持ちが少し楽になった

自分の考えは決して間違いではないと
同じように省吾や先輩の考えも
間違ってはいない

考え方は人それぞれだし
色々だし…


奈穂子「…」


5分置きほどで
携帯のバイブが振動する
画面には十数件もの不在着信が表示され
ていた

電話の相手はもちろん省吾


奈穂子「…はあっ」


今夜はまだ
省吾と話したくなくて
心配かけないよう一通だけメールを送り
電源を切ると鞄の奥底へ携帯を
押し込んだ

見ないように…


奈穂子「…」


行きと同じ
入って来た時と同じように
社員用の出入り口から外に出ようとした
奈穂子

だけど…


奈穂子「…!!」


だけどその途中、奈穂子は急に足を止め
まるで何かに導かれるように
ある場所へ向かった


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