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ペットではなく家族です。
第6章 コウの場合
奈穂子「確かにコウはかっこいいし素敵
だけど今は全然ダメっ」
コウ「人間だからか?ライオンの時みた
いに鬣(たてがみ)ないから」
奈穂子「違う」
コウ「じゃあ何だよ」
奈穂子「今のコウは自分の事ばっかりで
相手を思いやる気持ちが全然ない」
コウ「なっ…」
奈穂子「ライオンの時のコウはメイにも
子供にもすごく優しくて家族を守る為に
いつも自分を犠牲にしてた」
コウ「…昔の事だろう」
奈穂子「サービス精神旺盛でお客さんを
楽しませてくれた」
コウ「それはお前がうるさいから」
奈穂子「私、そんなコウが大好きだった
ううん、今でも好きっ」
コウ「!!」
奈穂子「だからさっき…コウに無理やり
あんな事されてすごく痛くて悲しかった
辛かった…」
コウ「…奈穂子」
奈穂子「名前、ちゃんと覚えててくれた
んだね」
コウ「…」
奈穂子「嬉しい」
コウ「…悪かった…な…ごめん…」
奈穂子「わかれば宜しい」
コウ「…」
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