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ペットではなく家族です。

第6章 コウの場合



奈穂子「いい子いい子」

コウ「…」


母親が子供をあやすように
コウの頭を優しく撫でてあげた奈穂子

白銀色のコウの髪はふわふわモフモフで
まるで鬣に触れているような
そんな感覚だった


コウ「…なぁ…奈穂子」

奈穂子「?」

コウ「彼氏と何かあったのか?」

奈穂子「なっ、何急に…」

コウ「最初に俺に会いに来た時、泣いて
たから」

奈穂子「…まあね」

コウ「…」

奈穂子「大人、人間には色々あるからね
でも平気、大丈夫だから」

コウ「奈穂子」

奈穂子「それより、どう説明するかよね
ライオンが人間になったなんて誰も信じ
てくれないだろうし…下手したら実験体
とか」

コウ「俺が心配?」

奈穂子「当たり前でしょう」

コウ「何で?」

奈穂子「だからそれは…えっと…」

コウ「何」

奈穂子「!!」


唇が触れそうな距離
ギリギリの距離まで顔を近づけ
金色の目で奈穂子を見つめ執拗に理由を
尋ねるコウ

本当はわかってる
なのに…


コウ「奈穂子?」

奈穂子「だ…っ…から…」


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