ペットではなく家族です。
第8章 アポロの決断
香織「はぁはぁ…はぁっ…はぁ…」
足が何度も縺れた
だけど止まる事は出来なかった
止まったら最後、赤沼に追いつかれる
追いつかれたら逃げられない
もう二度と…
香織「はぁっ、っうう、はぁ…」
だけど永遠に走り続けられるわけもなく
30分ほど走り続けた頃
息切れに…
香織「はぁはぁ…っはぁ…」
電柱にもたれ
地面に座り込んだ香織
この辺は高層ビルが建ち並ぶビジネス街
行き交う人達は皆、早足で歩き
香織に気づきながらも
見て見ぬフリ
香織「…はぁっ…喉渇いた」
空を見上げ
息を整えていると
目の前にペットボトルの水が差し出され
た
そのペットボトルをくれたのは
意外なあの人物だった
香織「!?」
孝太郎「熱中症で倒れるぞ」
香織「あ、孝太郎…」
孝太郎「そんなとこ座って何やってるん
だよ」
香織「…別に…疲れたから休憩してただ
け…」
孝太郎「休憩ね…」
香織「…」