ペットではなく家族です。
第9章 クロ様の場合
朱美「…っう…はぁぁっ…」
吐き気を模様し急いで旧校舎を出て
手洗い場へ向かった朱美
旧校舎は電気も水道も止められていた為
こういう時は本当に
不便だった
朱美「…ふぅっ」
吐いた事で気持ち悪さはなくなったが
一気に空腹になり…
朱美「…はぁっ…お腹空いた…」
動きたくなくて
その場に座り頭を抱えた朱美
変に意地張って自分でもバカだってわか
ってる
それでも…
朱美「…水…水飲もう…」
水をいっぱい飲み空腹を紛らわせたが
お腹がたぷたぷになるだけで
空腹は変わらず…
朱美「…お腹…空いたよ…」
朱美の切なる願い
その願いが天に通じたのか
目の前に突然、菓子パンが一つ差し出さ
れた
夢か幻か
だけど確かに…
朱美「?」
男性「お腹空いてるんでしょう、良かっ
たら」
朱美「…知らない人からはもらえません
食べ物なら特に…」
男性「失礼、俺は神谷新之助、今月から
ここの高校で働いてる教師です」
朱美「…知らない」
新之助「それは今みたいに授業サボって
るからだろう、君の名前は?」
朱美「…」