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ペットではなく家族です。

第9章 クロ様の場合



朱美「んんっ…」


早朝
鳥の鳴き声で目を覚ました

それはまるで映画のワンシーンのような
優雅に思えたが声の主は黒い鳥
カラスだった


朱美「カラスだ…」

カラス「…」

朱美「ケガしてるの?」

カラス「…」


変な座り方をし
一向に飛び立とうとしないカラス

最初は単に休んでるだけかと思ったが
足をケガしていたのか
血が出ていた


朱美「ちょっと待ってて」

カラス「…」


ハンカチを取り出し
餌付けに菓子パンも持って
朱美はゆっくりカラスの側に近づいて行
った


カラス「…」

朱美「食べかけだけど食べる?」

カラス「…」

朱美「いいよ、食べな」

カラス「…」


警戒しながらも
よほどお腹が空いていたのか
朱美の手から菓子パンを食べたカラス

その隙にカラスを捕まえ応急処置程度に
手当てしてあげた


朱美「そうそう、いい子だね」

カラス「…」


最初は怖いのかバタバタと暴れていたが
手当てしてくれてるとわかると
抵抗をやめた


朱美「はいっ、終わったよ」

カラス「…」

朱美「あんまり無理しないようにね」

カラス「…」


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