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ペットではなく家族です。

第9章 クロ様の場合



朱美「食べちゃった…食べちゃったけど
一体誰が…」

カラス「俺様の飯をお前に恵んでやった
んだ、有り難く思え」

朱美「えっ?あ、ありがとうございます
あの、あなたは?」

カラス「俺?俺様は…」

朱美「…」


突然現れた俺様な男子

全身、真っ黒で統一された服を着ていて
その姿はまるでカラスだった
見た目がだけど…


カラス「俺様はお前に助けられたカラス
だ」

朱美「カラス…」

カラス「あの時は助かった、ありがとう
さっきの唐揚げはそのお礼だ」

朱美「でもあなた…どこから見ても人間
よね」

カラス「でもカラスだ」

朱美「…」


カラスが人間になって
自分に恩返ししに来るなんて
まるでお伽話、夢のようだったが夢では
ない

何故なら自分は今も空腹を感じているし
唐揚げの食感、味は口の中に
今だに残っている


夢のようだが夢ではない
これは現実だ


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