ペットではなく家族です。
第12章 亀吉の場合
母「会社は?」
正樹「恵さん、会社の事より今は体を休
める事だけ考えてください」
恵「は~いっ」
愛莉「…」
同じ会社で働く正樹
歳も近く愛莉に優しくしてくれた
愛莉はまだ小学生だったが正樹の心情は
わかっていた
正樹は多分
多分ではなく確実に…
母に好意を抱いているはず
愛莉「…」
ちなみに恵とは愛莉の母の名前だ
愛莉「沢田さんから聞いたけど2、3日
入院するの?」
恵「私は大丈夫なんだけどね」
愛莉「…」
正樹「入院となると愛莉さんの事が心配
ですよね、僕で良ければ」
愛莉「私なら平気」
正樹「えっ」
愛莉「一人は慣れてるしマンションだか
ら戸締まりさえすれば大丈夫です」
正樹「だけど」
愛莉「そういう事なんで悪いんですけど
家まで送ってもらえます?」
正樹「恵さん…」
恵「一度言ったら聞かないから…」
正樹「…」
愛莉「さっ、帰りましょう」
正樹「…はいっ」