ペットではなく家族です。
第12章 亀吉の場合
愛莉「だってそれは、それは…」
亀吉「亀吉だよ」
愛莉「亀吉!?でもあなた亀じゃ…」
亀吉「突然変異かな」
愛莉「…」
亀が人間になる
現実的には有り得ないが
有り得ない事が今目の前で起きている
詳しい経緯はわからなかったが
突然変異と言う言葉は
しっくりきた
亀吉「あっ、わかった」
愛莉「何が」
亀吉「吉蔵がそうさせたんだよ」
愛莉「吉蔵って誰」
亀吉「吉蔵は愛莉のお父さんの名前だよ
知らないの?」
愛莉「…知らない…お母さんから聞いた
事ないし…」
亀吉「あっ、ごめん…」
愛莉「…」
愛莉の父親、吉蔵
彼は愛莉が5歳の時に事故死した
突然の事で母親は一時は放心状態になり
愛莉も養護施設に預けられ
離れ離れに…
しばらくして
すぐ迎えに来てくれたが
また離れ離れになる恐怖心からか
どんなに気になっても母親に父親の事を
聞けないでいた
亀吉「…」
愛莉「お父さん、どんな人だった」
亀吉「優しい人だったよ」
愛莉「あとは?」
亀吉「すごく家族を愛莉を大事にしてた
あと笑顔がよく似合う人だった」
愛莉「…そっか」