ペットではなく家族です。
第12章 亀吉の場合
愛莉「ゃ…いゃあ…」
男「あと少し、あと少しで…」
愛莉「っ…」
下唇を血が出る程、強く歯を立て
恐怖から目を閉じた
その時…
男「えっ、何っ、ぅおっ…」
愛莉「…?」
一瞬の出来事で
何が起きたのかわからなかったが
男は玄関先まで吹っ飛び頭を打ったのか
下半身を露出させたまま
気絶していた
愛莉「…っうう…ぁ…」
亀吉「愛莉、愛莉、大丈夫か!?」
愛莉「…亀…吉っ」
亀吉「僕がもっと早く異変に気づいてれ
ば…」
愛莉「ハァっ…ハァ…」
亀吉「大丈夫、もう大丈夫だから、僕が
僕が側にいるから安心して」
愛莉「…ぅ…っん…」
亀吉「…」
震える愛莉
必死に虚勢を張っていたが
本当はすごく怖くて不安だったはず
どんなに大人ぶっても愛莉はまだ12歳
まだまだ子供なのだ
心も体も…
亀吉「…ごめん、ごめんな…」
愛莉「っ…」