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ペットではなく家族です。

第3章 花子の場合



颯太との出会いは2年ほど前


颯太『犬、仔犬だ』

花子『…』


産まれて数日しか経っていない頃に
花子は親犬と引き離され
捨てられた

冷たい雨が降りしきる中
段ボールは雨を含み足元はビショビショ
体は冷え
衰弱していた


颯太『雑種かな?俺の家で良かったら来
るか?』

花子『…』


返事は出来なかった

ただ颯太の足に
しがみつくのが精一杯で
暖かい颯太の腕の中で意識を失い
次、目覚めた時には暖かい毛布に包まれ
ていた


花子『…!!』

颯太『目覚めたか?俺は颯太、今日から
お前のご主人様だ、よろしく』

花子『…』


変な男
それが最初の印象だった

だけど同じ時間を過ごす内に
色々な颯太の一面を知り惹かれていった
犬が人間になんて
笑える…


最初は助けてくれたから
命の恩人だから


でも違う


颯太『さっ、上がって上がって』

優香『お邪魔します』

花子『…』


颯太が女を家に連れ込むとイライラした
ましてやイチャイチャしだし
セックスし始めたら
それはもう…


花子『ワンワンワンワン』

優香『何』

颯太『花子、静かにしろって』


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