ペットではなく家族です。
第13章 亀吉の迷い
徹「僕の事…知ってるんですか…」
愛莉「って言うか…」
徹「…」
愛莉「私、隣のクラスの水島愛莉です、
えっと…」
徹「水島愛莉、さん…」
愛莉「?」
自分を知らないはず
だけど愛莉の名前を知った途端
徹は驚いた表情で目線を下に向けてしま
った
何故だろう…
愛莉「あの」
徹「宇佐見君の彼女、ですよね…」
愛莉「えっ?あ、それは」
徹「クラス中その話題で持ち切りですよ
みんな驚いてた」
愛莉「…」
徹「僕、宇佐見君とは小学校から一緒で
その頃から彼モテてたから…だから別に
彼女が出来ても」
隼人「彼女じゃねぇよ」
愛莉「宇佐見君」
徹「…」
突然現れた隼人
今は授業中のはずだが…
それに隼人は愛莉に彼女のフリをしろと
言ったのに彼女ではないと
バラすなんて…
隼人「こいつは彼女じゃない」
徹「…でも」
隼人「彼女じゃない、俺の言葉を信じろ
わかったな」
徹「…うんっ、わかった」
愛莉「…」
気のせいだろうか
一瞬、徹の表情が綻んだような…
愛莉「…気のせいかな」