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ペットではなく家族です。

第3章 花子の場合



花子「颯太、颯太ってば」

颯太「…」

花子「颯太ってば」


自分の名前を呼ぶ少女
少女の正体は謎、不明だったが
何より気になったのが少女は部屋の前で
寝室の前に立ち
一歩も入ろうとしなかった

ギリギリで
ギリギリの場所に立ち
颯太の名前を何度も呼び続けた


花子「颯太、颯太颯太颯太」

颯太「うるさいな、人の名前を連呼して
お前誰だよ、第一どうやって部屋に入っ
たんだよ」

花子「どうやってって…」

颯太「新手の泥棒か」

花子「泥棒?泥棒って何、美味しいの?
私も食べたい」

颯太「花子の奴…泥棒が入って来たのに
気づかず寝てやがるな」

花子「ここここ、私ならここだよ」

颯太「…」

花子「花子、花子だよ」

颯太「…疲れてるのかな…俺…」


花子と名乗る少女
自分はまだ夢を見ているのか
それとも疲れ過ぎておかしくなったのか
だけど…


花子「颯太」

颯太「…お前…まさかお前本当に…」

花子「?」

颯太「本当に花子、か」

花子「花子だって何回も言ってるじゃん
わかったら早くこっち来てよ」

颯太「あ、あぁ…」


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