テキストサイズ

ペットではなく家族です。

第15章 香織の結末



香織「…」


一時間、二時間
三時間以上、店の前で待ち続けた

季節は夏から秋に変わり始めていたが
残暑厳しく外はまだ熱くて
熱中症気味に…


香織「…暑…っ…」


頭から足まで
汗でびっしょりになり
今日はもう帰ろうかと諦めかけた

その時だった…


香織「…!!」


香織の前を一人の女の子が走り抜けた
どこか見覚えのある女の子
どこで見たのか…


母親「愛、一人で先行かないの」

愛「ママ、早く早く」

香織「…」


女の子に少し遅れ
母親らしき女性が通過した
妊娠中なのか大きなお腹を抱えながら
歩いていた

幸せそうな親子


香織「…」

愛「パパ、パパも早く来てよ」

孝太郎「わかったから」

香織「!!」


聞き慣れた声
ずっと聞きたかった声
目の前で起きてる事が間違いだと思いた
かった

だけど今目の前で起きている事は現実
紛れも無い真実だった


孝太郎「愛、危ないから走らない」

愛「は~いっ」

香織「…孝…太郎…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ