ペットではなく家族です。
第19章 朱美の結末
新之助「じゃあ先に出るから」
朱美「はいっ」
新之助「行ってきます」
朱美「…行ってらっしゃい…」
新之助を見送ると
朱美は早々と荷物をまとめた
と言っても朱美の荷物は少なく数分で終
わってしまった
朱美「…はぁっ」
荷物をまとめると
朱美は新之助に手紙を書いた
今日までお世話になったお礼とこれから
の事など
自分はここを出て
知り合いの家でお世話になる
学校は辞める事になると思うが心配しな
いでと
震える手で必死に書いた
何故なら…
朱美「ぅうっ…ぐすッ…んぅ…」
手紙の後半部分はほとんど
嘘だったから…
知り合いなんていない
自分には頼れる人は一人もいない
この家を出たら路頭に迷いまたあの家に
戻される
だけど…
朱美「…泣くな…っ、一人でも頑張るっ
て決めたでしょう…」
だけどこれ以上、迷惑はかけられない
新之助の事を思えばこれが
最良の選択だった
朱美「…そろそろ行かなきゃ…」