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ペットではなく家族です。

第5章 アポロの場合



香織「…あの」

秘書「私にはお構いなく」

香織「…」


視線を向けるくせに
話しかけた一定の距離を取り離れる
何も飲まないし何も食べない

赤沼の側に座り
予定の時間になると伝える

その時間になると
赤沼は決まって電話しに行く
本人は会社だと言っているが本当に会社
なのか…


まあ香織には関係ないが


香織「…」

赤沼「香織、お待たせ」

香織「会社の方は大丈夫でした?」

赤沼「あぁ、だけど戻らなきゃいけなく
なって」

香織「そうなんですか…」

赤沼「また明日来るから、それまで我慢
だな」

香織「お待ちしてます」

秘書「…」


寂しそうにしながらも
内心ではホッとしてる自分がいた
赤沼は本当にいいお客だしお触りもない
だけど…


赤沼「じゃあまたね」

香織「ありがとうございました」


結局は赤沼も男
お客と一人のキャバ嬢のまま
このままの関係が変わらず続けばいいの
だが…


香織「…」


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