テキストサイズ

ペットではなく家族です。

第6章 コウの場合



省吾の父「近々結婚するのか?」

省吾「時期はまだ未定だけど、いつかは
って思ってる、なっ」

奈穂子「うんっ」

省吾の母「お母さんは賛成よ、大賛成、
奈穂子さんみたいな可愛い子がお嫁さん
に来てくれるなんて嬉しいわ」

奈穂子「お義母さん」

省吾の母「お父さんだって本当は嬉しい
のよ」

省吾「本当?」

省吾の父「…まぁ…早く孫の顔も見たい
しな」

省吾「ありがとう」

奈穂子「ありがとうございます」


ご両親との顔合わせ
実は結婚の報告を兼ねていた
もちろん詳しい日取りなどは未定だが
とりあえず
ご両親の許しは得た

残すは奈穂子の両親への挨拶
だけだったが…


省吾の母「ところで奈穂子さん」

奈穂子「はいっ」

省吾の母「省吾と結婚したら今の仕事は
きっぱり辞めて主婦業に専念してくれる
のよね」

奈穂子「えっ、と…」

省吾「そうだよ、当たり前じゃん」

省吾の母「良かった、それならお母さん
安心だわ」

奈穂子「…」


何も言えない

何も言えなかった


場の空気を壊したくなかったし
かといって自分の意思を変えたくなくて
今はただ黙ってる事しか
出来なかった


奈穂子「…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ