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ペットではなく家族です。

第6章 コウの場合



省吾「どういうつもりだよ」

奈穂子「えっ?」

省吾「仕事、結婚したら辞めるって何で
そうはっきり言わなかったんだよ」

奈穂子「あぁ、うんっ…」

省吾「…」


タクシーに揺られ
ほろ酔い気分の省吾は怒っていた
原因は食事の場で話された結婚後の事

仕事を続けるか
辞めるか


奈穂子「でも省吾だって黙ってたじゃん
結婚したら仕事辞めて欲しいなんて一言
も言ってなかったし…」

省吾「…ごめん」

奈穂子「私、結婚しても仕事は続けたい
ダメかな?」

省吾「…難しいと思う…両親は奈穂子に
家に入って欲しいと思ってるし俺も同じ
気持ちだから…」

奈穂子「家の事、仕事と両立させるから
絶対迷惑かけないから」

省吾「…」

奈穂子「だからお願い、動物達の為にも
続けさせて…いきなり担当が変わったら
動物達も驚いて」

省吾「大丈夫だって」

奈穂子「!!」

省吾「奈穂子が辞めたって動物達は別に
何とも思わないよ」

奈穂子「でも」

省吾「動物に人間の言葉が通じるわけが
ないし心だって通じないよ」

奈穂子「…」


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