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第20章 雄介 VS 真弓

「 あっ…あっ…ああ…」

真弓は 体をブルブル震わせて 梶原のその真剣な目を見やる。

ここまで はっきりと思いを口にしたって事は 夫は本気なんだ…

本気で 沢村さんが 好きなんだ。

真弓は 頭が真っ白になり 絶望的になった。

女にだらしなかった夫だが 1度も女に真剣になった事はない。

女なんて 性欲処理の道具としか思ってないはずだ。

しかし こんなにも あの女への想いを言うなんて…

「 何…? 本気だからって 何? でも 一緒には なれないのよ? あなたも 向こうも家庭がある。 どうしようって 言うのよ…」

「 そんなのわかってる。 舞は 家庭を捨てる女じゃない。
旦那も 子供も大切にするだろうから 離婚は しないさ…」

真弓は 少し ホッとした。 2人は 一緒には なったりするつもりはないんだ。

「 真弓…」

梶原が 静かに言った。

「 離婚してくれないか… 別れても お前と隼人の責任は持つ。 養育費も 生活費も キチンと 払うから…」

「…え…」

真弓は またドン底に 落とされた。

もう 何も考えられず 頭が回らないのに 涙だけは止まらない。

「 あなた 今 なんて…」

「 真弓 すまない… 舞は 離婚しないと思うが 俺はもう お前との結婚生活を 続ける事は出来ない…」

梶原も 下を向いて 泣いていた。

「 ごめん… 俺は 舞と初めてうちの玄関で 会った時から 一目惚れしてしまったんだ…
それに それに あの事故以来 勃たなかった俺が 舞だけに 反応するようになった…
他の女は 誰にも反応しないのに… あいつにだけは 欲望か止まらないくらいに いつも 反応するんだ…」

真弓は その話を聞くと ギャアーーーーーー! と すごい声で 発狂して 頭を 抱えながら 暴れた。

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