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第25章 愛しき人

遠くから パトカーのサイレンの音が聞こえる。

「…憎い…憎い… 俺が こんなに 愛してるのに 舞は 俺を愛してないよな…」

「…ああああ…雄介…」

すると 更に 梶原は 強く舞を抱きしめた。

「 …だけど…だけど…憎いが…その何倍も 舞を…愛してる…
愛してるんだ…」

「…うっ…うっ…」

遠くに 聞こえてたサイレンが ドンドン 迫って来ていた。 もう 真下から聞こえる。

「…舞。生まれ変わっても 俺は お前を 見つける。また お前を愛するよ… 愛しき人… 舞…俺は お前だけだ…」

そう言い もう一度 舞に深くキスをすると 梶原は 風呂場に走って行き 窓から 外に飛び出した。

「…ああああ…雄介… 雄介…」

舞は その場に崩れ しゃがみ込み 号泣した。

数秒して 警察と涼太が アパート鍵を開け 乗り込んで来た。



…雄介… 雄介…


… 私も… 愛してた…




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