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「 おお〜 こんにちは！ 沢村さん！ 越して来たばっかりで まだ幼稚園慣れないのに こんなにお手伝いをお願いして 申し訳ないです！」

声をかけて来たのは 幼稚園の保護者会の会長をしている 渡邊さんの旦那さんだ。

「いえー！そんな 私も慣れてなくて 皆さんの足手まといになって すみません！ でも 頑張りますので 色々仕事 言いつけてくださいね〜！」

舞は にっこりと笑って 渡邊を見上げた。

「いやー こんな綺麗な沢村さんの奥さんに 色々お願いて申し訳ないなぁー！ 旦那さんも 梨花ちゃんも 自慢のママで幸せだろうねー！」

「まぁー 渡邊さん！ お世辞言っちゃって！」

舞は 渡邊と 楽しく 談笑していた。

その時 渡邊との 話に夢中になり 梶原が 舞達の 後ろのテーブルに近づいて来てるのに 全く気づかなかった。

「あははは！ 沢村さん 気さくな方なんですねー！」

「 渡邊さんこそー！」 舞は 満面の笑みで 渡邊と話をしていた。

すると 突然

バシーーーーーン‼︎‼︎ すごい 物音がして キャッ！
と みんなが 振り向いた。

音の鳴った方を 見ると 梶原が 側にあった 分厚い 資料集の束を 長テーブルに叩きつけていたのである。

えっ？ 賑やかな バザー会場が 一瞬にして シーーーンとなる。

ハッとして 舞が 梶原を見ると 分厚い資料集を両手に持って 手をブルブル振るわせて 舞の方を 睨みつけていた。

その目は いつもの無表情だけど 熱い目線では なく 明らかに 怒りに燃えた 真っ赤に見開かれていた目だった。

舞は その怒りの瞳に 目をそらせなかった。

な？ どうしたの…？ 周りの父兄がザワザワしだすと 梶原は 資料集を ザバッと床に投げ捨て 会場から 出て行ってしまった。