テキストサイズ

視線

第5章 触れる

職場に着いても 舞は朝の梶原のバスでの行為が頭から離れなかった。
愛撫を受けた 左指が ずっと熱い。

仕事中も 梶原の欲望に燃える目。
緩慢で いやらしい指の動き。
長身の梶原が 下を向いて 舞の頭に キスをした唇の感覚。

どれも 頭をよぎって 仕事にならない。

何故か ドキドキとモヤモヤした欲望が湧き 子宮が疼いてくる。

かつて たった指だけの行為で ここまで 欲情した事があっただろうか。 まず 涼太ではなかった。

あの 独特なミステリアスな雰囲気と クールな視線と
言葉ではない 触れるだけの行為で 舞と 愛のコミュニケーションを図ろうとしている。

こんなのは 初めてだった。

今日は 涼太に抱いてもらいたい。

そうでなければ この疼きがおさまらないし 梶原の事で頭がいっぱいになってしまう。
それだけは 絶対にダメだ…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ