無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

パパと 呼ばれて 玄関の奥の方から 男の人が出て来た。

「ほらー パパ お隣の沢村さん！」 女性は手招きして この梶原家の主人であろう 男性を呼んだ。

ゆっくりとした 歩調で玄関先まで出来てた。

「 隣りに越して来ました！沢村です！よろしくお願いします！こちら 娘の梨花です！」
舞は そう言って にっこりとした笑顔を その男性に向けた。

しかし その男は 何も返事をせず 固まった様に じっと舞を見つめていた。
「 えっ…？ あの…」
返事がなかった為に 少し困惑した表情になり 男を眺めた。

でも その男は何も言わず 微動だにせず ただただ 舞から目を離す事なく 見ていた。

「ごめんさない、主人 口下手で！」と 女性は眉を下げて 舞に謝った。
「いえいえー！」「 それより 娘ちゃん 何歳？もしかして ことり幼稚園に入るの？ うちの息子と同じ歳になるのかしらー？
あらー梨花ちゃん？ うちの子 隼人って言うの！よろしくねー！」
そういうと しゃがみ込んで 梨花と話し始めた。
ふふっと 舞は微笑んで また お隣さんいい人そうでよかった！それに 梨花にもお友達が出来そうだと 嬉しくなった。

ふと 視線を感じて 顔を上げると その男は 女性の少し後ろの壁に寄りかかって まだ舞をじっと見ていた。
え？ 何？ この人 挨拶もしないで じっと見てる。
その 男は 何も言葉を発せず ただただ 舞を見ていた。
舞と 目が合っても 反らす事なく 瞬きもせず 舞を見ていた。