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過ちは奇跡ですか?

第2章 鏡 悠真

「熱あるじゃねーか
吐きそうなの?」



コクっと頷くとお兄さんは優しく背中をさする。
だんだんと落ち着いてきたところでお兄さんは立ち上がった。



「家まで乗せていくから乗りな」

「え?」



どうやら車だったらしく鍵を開けドアを開いて俺を呼んだ。




「家は・・・やだ」

「は?」

「学校へ行く・・・」

「行くってその状態でか?
バカ言ってんじゃねーよ。早く乗れ!」

「やだ・・・」



まるでおもちゃを買ってもらえない子がそれの目の前でぐするようにその場に立ち尽くした。

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