テキストサイズ

覚醒

第17章 気付かぬ兆し

あの日以来、康太は、ミサの言う通り殆ど学校へも行かず、フラフラとしていた。

真実とのことで失意の奥底から中々這い出すことができず、心と躰のやり場に苦しんでいた。

いくら酒を煽っても、色んな女を抱いても…。

康太の頭の中で、真実のあの日の姿が焼き付いて離れなかった。

…白い肌に赤いロープを食い込ませ、虚ろな瞳を潤ませて見つめる艶かしい真実…

…グッショリと秘部を濡らし、自分の強張りを心地よく締め付ける、あの熱い媚肉の感触…

…何もかもをかなぐり捨て、ただただ悦溺する淫らな真実の姿…

どの女と寝ても、あんな感覚にはなれない。

イク時はあの日の真実の姿を過らせて果てる。

そうしなければ、他の女とではイケなかったのだ。


今日も、酒を浴びるように飲んだが、心を埋めることはできなかった。

アパートの部屋のドアを開けるなり、ドサリとベッドに倒れこむ。

目を閉じていると、真実の姿が浮かんでは消える。

徐に、股間をまさぐる康太。

ズボンを脱ぎ、パンツも脱ぎ、剥き出した柔らかなぺニスを握り締めた。

真実を思いながら、手を上下させると、程なく躰中の血液が集まり、熱く硬く隆起してきた。

「ハァ、ハァ…真実…」

真実の躰をロープで拘束し、舐め回し、嬲り回し、何度も突き上げる自分の姿を妄想する。

強張りの先端からは、真実の中で果てたいと無理を言って泣く子供のように、透明の涙が溢れ流れ落ちる。

その涙を太い竿にニチャニチャとなすり付け、真実の中の感触を思い出しながら、激しく擦り上げる。

「ハァ、ハァ…ま、真実っイク…!ウッ…!」

ドビュッ…ドビュッ…!

あの日の真実を、忘れることができなくなっている康太の心と躰。

しかし、今の康太には、こうやって自分で慰めるほか、成す術が見つからない。



窓の外は、チラチラと初雪が舞い始めた…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ