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覚醒

第19章 忌まわしい再応

「……つみ……!」
「…夏海…!」

遠くから聞こえる微かな声…。

朦朧とする意識の中、ゆっくりと瞼を開くと、目の前にぼんやり夫と娘の顔の輪郭が浮かぶ。

「良かった!気がついたようだ」

「…ママ…」

夏海はベッドに横たわっていた。

気を失ってから数時間が経っていた。

徐々に戻る意識の中で、回想される悪夢のような出来事。

聡も真実もきちんと服を着ており、何事も無かったかのように平静を装っていたが、不自然なよそよそしさを夏海には見透かされていた。

夏海は二人を暫く見つめ、言葉なく涙を流す。

「…夏海…すまないことをしたと思ってる…」

「…ママ…ごめんなさい…」

「…フフフッ…」

夏海は涙を指先で拭うと、小さな声で笑いながら起き上がった。

そして

バシッ!バシッ!

いきなり二人の顔を平手打ちしたと思うと、そのままベッドに泣き崩れ、その嗚咽は止まらなかった。

二人は成す術もなく、ただそこに立ち尽くし、泣き震える夏海の背中を見つめていた…。


どれくらい経っただろう、夏海が、掠れる声を絞り出した。

「…私、きっと天罰が下ったんだわ…」

「…夏海…?」

「…私、お母さんと同じ目に…」

「夏海!それは、真実には…」

「…もういいの…言わせて。最後に本当のこと言っておきたいから…」

「ママ、どう言うこと?」

夏海は、何かを決意したかのように真実の目を見つめた。

「…ママが小学5年の頃ね、お父さん、つまりあなたのお祖父さんと躰の関係を結んでしまったの……。」


………………

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