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BED de 嵐

第2章 Bitter Sweet(楠大雅×矢野健太)

それから1週間後、大雅からオーディションに落ちたという報告のメールが来た。
絵文字も何も無い文章だけのメール。


………落ち込んでんな。


「分かりやす…」


いつもはウザい位絵文字やらデコメやらでゴテゴテしたメールばかりなのに。


しかも1日何通も来るメールもそれたった一通だけ。


「あーもう面倒くせぇな」


俺は煙草をくわえたまま通話ボタンをタップした。


大雅『………もしもし』


長いコールの後、やっと大雅が電話に出た。


「もしもしじゃねえよ。オーディション落ちた位で何だあのメール」


大雅『だって…』


「お前がそんなだと調子狂うわ」


大雅『………ごめん…』


「俺に謝ってもしょうがねえだろ」


大雅『………だって…俺…楽しみにしてたのに…この役と…健太くんとデート…』


電話越しに鼻をすする音が聞こえた。


「泣くなよ」


大雅『な、泣いてない…ズズッ』


「ぷふっ。もろばれ」


思わず笑ってしまう。


大雅『………』



「はぁ…もう…。待つから」


大雅『………え?』


「デート。合格するまで待ってやるから。頑張れ」


大雅『………健太くん…』


「気が短いからあんま待たせんなよ」


大雅の返事を聞かずに俺は電話を切った。


「本当面倒臭い奴…」

煙草をふかしながら思わず笑みがこぼれてしまった。

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