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BED de 嵐

第2章 Bitter Sweet(楠大雅×矢野健太)

ー健太sideー


「はぁー…つっかれた…」


テレビ夕日の食堂。
俺は昼飯を食べながらボーッとしていた。


守「健太くんお疲れ様」


「んー…お疲れさん…」


ヒラヒラと手を振ると守は俺の前に腰掛けた。


少し遅い休憩の為か人がマバラに座って思い思いに過ごしていた。


接続されてるテレビにワイドショーが流れている。


「昼から何だっけ」


守「歌撮りだよ。マカロンキッズと一緒に」


「あーあいつらかぁ…面倒くせぇ」


守「またそんな事言って」


「はぁ…」


伸びをしながらテーブルにうつ伏せになる。


するとテレビの音が耳に入って来た。


『今日発売の週刊誌で熱愛を報じられた女優の○○○さんと俳優の楠大雅さんを直撃しました』


………は?熱愛…?


顔を上げると自宅の前で記者に囲まれる大雅の様子が映った。


記者『楠さん、○○○さんとはお付き合いされてるんですか?』


大雅『えと…大切なお友達として…ちゃんとお付き合いさせていただいてます』


記者『大切な人、という事でしょうか?』


大雅『まぁ、そう、ですね』


記者に質問される大雅は…照れ笑いを浮かべていた。


記者『これから結婚とかも…もしかしたら』


大雅『いやいやそれはまだ…。静かに見守って頂けるとありがたいので…』


記者『天国のお父様にいいご報告が出来るといいですね』


大雅『そうですね、そう…願ってます』


そして大雅が車に乗り込み、中から頭を下げながらその場を去って行った。


守「あれ?この人健太くんと仲良くしてる人じゃない?この間も来てたよね?俳優だったんだ…どうりで男前だと…」


「………」


守「健太くん?けん…」


テーブルにぽたぽたと滴が落ちる。


あれ…これ…何だ?
………涙…?


守「健太くん…」


「………何だろ…止まんねえや…ははっ」


笑って誤魔化すけど…余計に涙が溢れてくる。


守「健太くん…あの人の事…」


「………ごめん、ちょっとトイレ」


俺は目を擦りながらその場を立ち去った。


何でだよ…あいつ…。
俺の事好きだって言ってたのに…。
振り向かせるって…言ってたのに…。
もう…諦めたのか?


俺…お前の事…。

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