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BED de 嵐

第3章 迷宮ラブソング(松岡昌宏×櫻井翔)

「凄い広い…」


ホテルの部屋に入った瞬間、俺の口からため息が漏れる。


有名人御用達の高級ホテル。
そこの最上階のスイートルームを昌宏さんは予約してくれた。


窓際に立つと…ゲレンデが見える。
さっきまで俺達が滑っていたスキー場。


「昌宏さん…ありがと」


松岡「ん?」


「スキーも…このホテルもさっきの食事も…本当最高だよ」


松岡「お前貝ばっか死ぬ程食ってたもんな」


「だって美味しかったんだもん」


松岡「確かに美味かったな」


昌宏さんが隣に立つ。


食事の後フロントに荷物を預け、ホテルのバーでお酒も飲んだ。
俺達はほろ酔いで気分もいい。


時刻は…もうすぐ25日。


松岡「5…4…3…2…1…」


昌宏さんが腕時計を見ながらカウントダウンを始めた。


松岡「0。翔ハッピーバースデー」


「ありがと」


松岡「ほいこれ」


昌宏さんがポケットの中から小さな箱を取り出す。


「………これ…」


松岡「開けてみ?」


「うん」


包みを開けるとそこには…シルバーのリングと真新しい鍵が入っていた。


「ありがと…でもこれ…鍵?」


松岡「そ。家の鍵」


「家って…昌宏さん家の鍵は俺…持ってるよ」


松岡「その家じゃなくてさ。新しい家の鍵。俺達の」


「………俺達…」


松岡「悪い。一緒に決めても良かったんだけどお前の喜ぶ顔が見たくて。勝手に物件決めたんだ。でもお前が気に入る間取り選んだつもりだから」


「昌宏さん…」


松岡「一緒に暮らそうぜ。もう5年だし…ずっとこの先一緒に居るんだからそろそろな」


「………っっ…」


ぽろぽろと、涙が溢れた。


松岡「泣くなよ」


「だって…そんな…そんな事考えてくれてたなんて…思わな…ぐすっ…」


松岡「考えてるに決まってるだろ。そうでなきゃ5年も付き合わねぇよ」


「うん…ありがと…」


松岡「ほら。指輪着けてやるよ」


昌宏さんが指輪を手に取り、俺の右手の薬指に着けた。


松岡「こっちは…もう少し待ってな。いつか2人で買いに行こう」


昌宏さんが微笑みながら俺の左手薬指を撫でる。


「ぐすっ…はい…昌宏さん…大好き…」


松岡「俺も」


「帰ったら…家に連れてって?」


松岡「勿論」


俺は泣きながら昌宏さんにしがみついた。

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