制服の魔法
第11章 寂しさのふち
『あの…どうして助けにきてくれたんですか?』
「別に。気になっただけ」
理系な織人くんは答えも冷静沈着
「やっぱり服のまま入ると気持ち悪いな」
水で吸着したTシャツをぬぐ
体は鍛えられてる
これぞまさに、水も滴るいい男だ!
「なに?」
「あっ!」
見とれていたらしい
「なぁ…俺だけに言ってくれないか?」
そっとお腹に手をおく
色っぽい香りが微かにかおる
「誰にもいわない。だけど、独りじゃ何もできなかっただろ」
織人くんだけに?
確かに私はさっき何にも出来なかった。
『でも…心配はかけたくないのです』
『俺はお前には興味はない。だが、人を見捨てることは出来ないんだ。…自分で言うのもなんだか』
織人くんは本当に見捨てることはない。
荷物運びも。
案内も。