
甘く、苦く
第65章 お山【I LOVE YOU】
櫻井side
いつもより、
ほんの少しだけ。
ほんの少しだけ頑張った。
なにを?
全部。
「あっ、」
苦手な料理も、
智くんのためなら頑張れた。
智くんのことを考えながら
なにかをすることは、
本当に好きなんだ。
これしたら…喜ぶかな?
なんて、女の子みたいに
考えてる。
「翔くん、」
「あ、おかえりー」
いつもより早く帰ってきた
智くんがキッチンにいる
俺を抱き締めた。
「?
どうしたの?」
「…俺たちってさぁ
付き合ってんだよね?」
今更、なに言ってるんだろう。
そんな事を思いながら
うんって頷く。
「…じゃあ、していい?」
「へ?なにを?」
「…わかんない?」
智くんが俺の首筋に
キスをした時、
やっとわかった。
…きっと、
そういうこと、スるんだろうなって。
「っ…ま、まって、
ご飯、は?」
「…先に、翔くんが欲しい…」
「っ…でも。準備、とか…」
「ごめん…もう付き合った頃から
ずっとしてた…」
下心丸出しだよね、
なんて眉を下げながら言う。
「…ううん、嬉しいよ」
「え?」
「嬉しい…すっごく。」
付き合った頃は
スるんだろうなって
思ってて。
少し期待してた。
だけど、年を重ねる事に、
もう有り得ないか、なんて
考えてしまうから。
だから。
「…あのさ、今度会えないかな」
そう言われる度、
期待してたんだ。
だけど、俺の期待は
だんだん薄れていった。
いつもより、
ほんの少しだけ。
ほんの少しだけ頑張った。
なにを?
全部。
「あっ、」
苦手な料理も、
智くんのためなら頑張れた。
智くんのことを考えながら
なにかをすることは、
本当に好きなんだ。
これしたら…喜ぶかな?
なんて、女の子みたいに
考えてる。
「翔くん、」
「あ、おかえりー」
いつもより早く帰ってきた
智くんがキッチンにいる
俺を抱き締めた。
「?
どうしたの?」
「…俺たちってさぁ
付き合ってんだよね?」
今更、なに言ってるんだろう。
そんな事を思いながら
うんって頷く。
「…じゃあ、していい?」
「へ?なにを?」
「…わかんない?」
智くんが俺の首筋に
キスをした時、
やっとわかった。
…きっと、
そういうこと、スるんだろうなって。
「っ…ま、まって、
ご飯、は?」
「…先に、翔くんが欲しい…」
「っ…でも。準備、とか…」
「ごめん…もう付き合った頃から
ずっとしてた…」
下心丸出しだよね、
なんて眉を下げながら言う。
「…ううん、嬉しいよ」
「え?」
「嬉しい…すっごく。」
付き合った頃は
スるんだろうなって
思ってて。
少し期待してた。
だけど、年を重ねる事に、
もう有り得ないか、なんて
考えてしまうから。
だから。
「…あのさ、今度会えないかな」
そう言われる度、
期待してたんだ。
だけど、俺の期待は
だんだん薄れていった。
