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甘く、苦く

第16章 磁石【ウソつき】

二宮side

翔さんのことが、今でも好き。

これは、正直な気持ち。

でも……世間から見たら、同じグループの人と、
しかも、男同士なんて、バレたら問題になる。


だから……別れたんだけど……

やっぱり、我慢できなくて、触れたくて、
好きで好きで好きで……

もう、どうしようもなくて…

止めることのできない感情が俺の中で膨らんでいった。


「二宮さん?」
「へっ?!あっ、あぁ、すいません。」

スタッフさんが、心配して声を掛けてくれた。

「あはは、大丈夫ですよ。」
「うぅ…すいません…」

こんな俺、翔さんに見られたくない…


そんなこと思っても、翔さんが俺のことを見てくれるわけなくて…


「ニノ、だいじょーぶ?元気なくない?」

わたしに声を掛けてくれたのは相葉さん。

「あー、うん。相葉さんの顔見たらもっと元気なくなるわー」
「はあ?なんだよー!」

相葉さんがわたしの頭をぐりぐりと撫でる。

「ちょっ、痛いって~……」
「うるさーい!」

こんな時間も、すごく楽しくて…



楽しい、はずなのに…




「に、ニノ?!痛かった?」
「え?別に…?」

頬に冷たい粒が伝った。

「あれ…?何でだろ…」
「えー?!泣かないでよー!俺、悪い人じゃん!」


焦る相葉さん。


おもしろい…



ねぇ、もう、相葉さんでもいいや。



わたしを……癒してよ。




「相葉さん……今夜、わたしを抱いてください」

相葉さんの耳元で、そう囁いた。

「俺でいいの…?」
「うん。」

今夜、相葉さんに抱かれるんだ…
そうすれば、翔さんのこと、忘れられる。

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