
甘く、苦く
第67章 大宮【just a little】
「…ね、智」
「んん?」
「俺らってさぁ、
付き合ってからなんか変わったかな」
「んー?わかんないなぁ。
でも、ニノのこと
もっと好きになったよ、俺は。」
「…ありがと。」
照れてるのがわかる。
声が少し上擦ってて、
瞳が潤んで──…
え────…?
「ニノ、なんで泣いて──…」
「ごめっ、…俺、なんか…」
「…なんかあったの!?
ニノ?どうしたの?」
「わかんない…っ」
とりあえず、危ないと思って
路肩に車を停車させるように
促した。
きゅ、と俺の服の裾を握って
肩で息してた。
…ニノ?
どうしたって言うんだよ。
急に。
「……俺、ほんと好きすぎて
抑えらんないっ…から、」
「っえ!?」
俺の肩を抱き寄せて、
押し付けるようにキスをしてきた。
熱を帯びた瞳が
俺をしっかりと捉えていて。
そればかりではなく、
唇は重なったままで。
「…んんっ、んんぅ…」
こんなの、人に見られたら
おしまいなのに…。
でもそれさえも、
今は興奮材料で。
