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甘く、苦く

第67章 大宮【just a little】

大野side



…あの涙はなんだったんだろう。

それが気になって、
なんだか寝付けなかった。

ニノは嬉しくて、とかって
言ってた気がするけど
そうじゃないと思うんだ。俺は。


疑うのはよくないけど…


「…ニノ?」

「……ん?」

「ふふ、起きてたぁ」

「そらっちこそ。」


ニノが体を反転させて
俺を包み込んでくれた。

あったかくて、
幸せになれた。


「なんか用あった?」

「…んーん、違う」

「……あそ…」


ニノはちょっとだけ不満そうにして
俺に優しくキスをしてくれた。

そこからだんだん、
深いキスになっていく。


「ん、んん、…ニノ……?」

「…なぁ、……シよ?
さっきの続き…」

「へっ!?
あ、ちょ、ニノ…!」


もぞもぞとニノが動くから
布団の隙間から寒い風が入る。

そんなのお構い無しに
ニノは俺の服を捲った。


「…綺麗……」

「ひゃぁっ、ニノぉ…っ」


腹筋をつーっと撫でられてから
そこに口付けられた。

ちくっと軽い痛みが走ったと思えば
そこにはほんのりと薄いキスマークが
ついていた。

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