
甘く、苦く
第67章 大宮【just a little】
「も、ニノ嫌い、」
って、俺が顔を離せば、
ニノは慌てて肩を掴んで
「ごめんて、許して」
なんてキスしてくる。
…結局俺は、ニノが好きで。
こういうところも
愛しちゃってるっていうか。
なんていうか。
手懐けられてる。
許しちゃうんだよ、
すぐにね。
「…ね、智、こっち向いて」
「…くすぐった、」
ニノの薄い唇が俺の頬に触れた。
セットされてないニノの髪は
いつもよりぺたんっとなっていて
少し可愛い。
これがニノって感じ。
「…智、好きだよ。」
「わかってるし。」
「ふふ、可愛い」
そう言ってから、
俺を優しく押し倒した。
それから、俺の目を見て微笑んで
捲りかけのパジャマのボタンを外し始めた。
ひんやりとしたニノの手が
お腹に当たった時、
変な声が出た。
だって冷たかったんだもん。
仕方ないじゃん?
「…智、こっちみて…?」
「なんだよぅ、」
ニノが俺の手を掴んで
ニノ自身の方に誘導させる。
触って?って口には出さないけど
訴えてる瞳と目が合う。
…抵抗なんてできないよ。
だって俺は、ニノに従順な犬だから。
