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甘く、苦く

第68章 櫻葉【snow flake】






…え?
今、なんて──…?


「ダメ、かなぁ…?」

「や、え、まって、」

なんで?って言ってから
俺の唇を塞ぐ。

さっき食べたケーキの生クリームの味が
少しだけした。


「…誘ってたんじゃないの?あれ、
違うの?…ねぇ、翔さん、」

「そっ、それは…っ、ちが…っ…!」


半裸の雅紀に押し倒されて
またキスされる。

そのまま覆い被さってきて、
雅紀の熱い舌が入ってくる。


そのうちに、ぼーっとしてきて、
今なにやってんのかとか
明日のこととか。

そういうのどうでもよくなっちゃって。

とりあえず、
今がよければそれでいっか。みたいな
ダメ人間の考え方になっちゃってた。


「…っ、あ、やっ…」

「ねえ翔さん、今日何の日かわかる?」

「…ま、さきの、ぅあっ。
…たん、じょーびっ……っ、」

「うん、せーかい。…だから、貰うね、」


短いキスをしたあと、
雅紀が俺の服に手をかけた。


「は、ぁあっ…」

「しょーさん、すっげエロい…」

「しら、ないっ…」


髪の毛を撫でられてから
またキスをされて。

あまいあまーい優しいキスで。

身も心も、全部溶かされそうな
キスだったんだ。


「…っ、あ、まさ…っ」

「…今日くらい、いいよね…?」


俺のベルトに手を掛けて、
外していく。

「や、まって…っ!
雅紀…!それダメっ…!

汚い、から…っ、」

「翔さんのだもん、汚くなんてないよ…」

「ダメっ、とにかくダメだからぁ…っ」

「…いーの。
今日くらい、いいじゃん」


パンツまでも剥ぎ取られて
露わになった俺自身を
雅紀は口内へ含んだ。

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