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甘く、苦く

第68章 櫻葉【snow flake】






「っ…雅紀、ダメ、」

「だめじゃないでしょ。
ほら、こっち向いて。」

「痛い痛い!」

「痛いからするんでしょっ
湿布貼っておくよ?」

「つ…つめたぁ…」

「我慢してよ」


…昨日は飛ばしすぎた。

ふたりとも求めてたから
どっちも抑えらんなくて
翔さんが肩を負傷してしまった。


「…ね、今日の夜さ、
クリスマスツリー見に行こ」

「…いいけどさぁ……」

「そうだ。そのままふたりで
ホテルとか行っちゃおっか」

「バカ!俺の肩と腰のことを
考えろ!」

なんて言うから。

…あーあ。
つまんないの。


「…じゃあ、どうする?
どっか行こうよぅ…」

「無理だ…金がねぇ」

「俺も!」

「じゃあ無理だろ!」


翔さんはとことんバカだな、なんて
言い放って、俺の腕からするりと抜けた。


「…バカはそっちでしょー」

「なんだとっ」

「ふふ、ほんとすぐにムキになるよねぇ」

「っ…うるさいっ」

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