甘く、苦く
第68章 櫻葉【snow flake】
わーわー言ってる
翔さんを無視して抱き締めた。
…俺と同じ匂い。
「んねぇ、」
「なんだよ」
「…抱き締めた時さぁ…
好きな人と同じ匂いすんのって
ちょー幸せじゃない?」
「…っ」
「…翔さんと付き合ってさぁ
一緒に暮らすようになって…
俺、毎日すげー楽しいよ」
「…うん」
「だからさ、もう離れないでね?
…ま、離してなんて言っても
離さないけどね。」
「…うんっ、」
「あれえ?なーんか珍しく
素直だねぇ…。かわいー♡」
「…っ、黙れえっ」
「いたっ」
「言わせておけば、次々とぉ〜っ」
「…ふふ、仕方ないじゃん。
可愛いんだもん。」
翔さんの方を見て優しく微笑んだら
ぽっと顔が赤くなって。
「んふふ、可愛い」
ってまた言ったら
「バカっ」
って言われて、
軽く睨まれた。