甘く、苦く
第70章 末ズ【一月一日】
「いっ、いーじゃん!
いつも潤くんといるから…」
「…んー?」
「わっ、もうっ…」
ニノを抱き締めて
首元に顔を埋めた。
そしたらくすぐったそうに、
でも嬉しそうに笑ってるニノと
目が合ったんだ。
「相葉くんと俺、
どっちが好き?」
「えー?」
照れた表情もいいなぁ。
なんてニヤニヤしながら
ニノの顔を見ていた。
そしたら、ニノがえっとねーって
ニコニコしながら
「潤くんだよ」
って言って俺にぎゅうううっと
抱き着いてきた。
だから俺も、ぎゅうううって
ニノを抱き締めてあげた。
「んっふふ、潤くん、痛いよ〜」
「っふふ、ごめんね?」
「んーん、幸せだからいい…かな?」
なんて、赤くなった顔を隠すように
俺の胸元に顔を埋めてる。
それが可愛くって、
ニノの頭を優しく撫でていた。
…静かになったな……って
思って顔を覗き込めば。
うっ、わぁ──…
スヤスヤと眠る天使がそこにはいた。
長い睫毛と、全然荒れてない綺麗な肌、
ふっくらとした頬。
ごくり、と喉を鳴らして
その頬に触れた。
もちもちで、柔らかくて。
(ずっとこうしていてもいいかも…)
なんて、頬に指を沈めたまま、
うとうとしていた。