
甘く、苦く
第16章 磁石【ウソつき】
あぁ、だるい。
それだけ。
熱でおかしいのか、正常な自分に戻れない。
それに
幻覚が…見える…
みんなが、いる…
あ…訂正。
ニノが、いる…
「翔さん、大丈夫ですかぁ?」
泣き声で訪ねてくるニノ。
返事なんて、返す気力もなくて…
俺は、ニノの顔をみてこくん、と頷いた。
そしたら、ニノが安心した顔して、
「よかったぁ…」
だってさ。
俺のことなんて、好きでもないのに…
信じられないんだ。
「翔さん、大好きです。
これは…ほんとの気持ちです。うそじゃ、ないです。」
好き…?
あー、そうですか。
そんなの、今ごろ遅いよ。
相葉くんに抱かれたくせに、散々無視したくせに。
「でも、翔さんはわたしのこと、好きじゃないですよね?
それは…わかってますよ。だから、最後にひとつ、お願いです。」
「な…に…?」
なんとか、声を出せた。
「キスしてください。させてください。
愛してるって言ってください。言います。
感情なんて、なくていいです。だから、お願いです…」
俺は重い体を持ち上げて、ニノの頬に手を添えた。
「ニノ……」
病室にちゅっと二回、リップ音が響く。
「翔さん、愛してます。」
ニノが、笑う。
ばか、俺も好きだよ。
「ニノ……愛…してる…ずっと…」
感情なんて、なくていい。
そんなの、無理だよ。
大好きなんだもん。愛してるんだもん。
ニノは満足そうに笑って、
「また来ます。」
そう言って病室を出た。
俺は瞳を閉じた。
寝れば、なおる。
そんなわけないけど…
一秒でも早く、みんなと仕事をしなきゃいけないんだ…
それだけ。
熱でおかしいのか、正常な自分に戻れない。
それに
幻覚が…見える…
みんなが、いる…
あ…訂正。
ニノが、いる…
「翔さん、大丈夫ですかぁ?」
泣き声で訪ねてくるニノ。
返事なんて、返す気力もなくて…
俺は、ニノの顔をみてこくん、と頷いた。
そしたら、ニノが安心した顔して、
「よかったぁ…」
だってさ。
俺のことなんて、好きでもないのに…
信じられないんだ。
「翔さん、大好きです。
これは…ほんとの気持ちです。うそじゃ、ないです。」
好き…?
あー、そうですか。
そんなの、今ごろ遅いよ。
相葉くんに抱かれたくせに、散々無視したくせに。
「でも、翔さんはわたしのこと、好きじゃないですよね?
それは…わかってますよ。だから、最後にひとつ、お願いです。」
「な…に…?」
なんとか、声を出せた。
「キスしてください。させてください。
愛してるって言ってください。言います。
感情なんて、なくていいです。だから、お願いです…」
俺は重い体を持ち上げて、ニノの頬に手を添えた。
「ニノ……」
病室にちゅっと二回、リップ音が響く。
「翔さん、愛してます。」
ニノが、笑う。
ばか、俺も好きだよ。
「ニノ……愛…してる…ずっと…」
感情なんて、なくていい。
そんなの、無理だよ。
大好きなんだもん。愛してるんだもん。
ニノは満足そうに笑って、
「また来ます。」
そう言って病室を出た。
俺は瞳を閉じた。
寝れば、なおる。
そんなわけないけど…
一秒でも早く、みんなと仕事をしなきゃいけないんだ…
