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甘く、苦く

第16章 磁石【ウソつき】

「あの…翔さん…?」

もじもじしてるニノはマジ天使。


思わず見惚れてたら…
「帰ります…」
って言われた。


「あー、待って~!ごめんってばぁ…
話したいこと、たくさんあるんだ。」
「なんですか…?」

むっとした顔で聞いてきたニノ。


「あのさ、昨日、お見舞い来てくれた?
ありがとう。嬉しかった。」

俺がお礼を言ったら顔がどんどん赤くなっていくニノ。


「そ、ですかぁ…はぁっ…」

急に床に座り込むニノ。


「え、どした?
具合悪い?ニーノ。」


俺の返事に応答は…ない。


「ばかですか?
もう…鈍感すぎますよ…
翔さんの…

…ばか、あほ、まぬけ、嫌いだぁ…」


酷くない…?


「俺、頭いいしー!」
「すぐにキレるのも子供ですね。」

ふっと勝ち誇ったように言うニノ。


「うっわー、うざいわぁぁぁ…」



そんなこと、言いに来たのかよ。

だったら、帰れよ。



「翔さん、ごめんなさぃ…」
「なにが??」

急に謝られても…


「あの、相葉さんのこと…」
「あ、はいはい。
相葉くんのこと、抱いたんだってね。」
「…はい…」

え?


ほんとなの?

えー、まじかぁ…


「俺、傷付いた。」
「わたしも、傷付きました。」


しゅんっとしてるニノ。


「ニノ、俺たちはばかだね。」
「なにが…ですか…? 」



お互いのこと、しっかり好きって言えてないじゃん。

遠回りしてばっかり。

「いーえ、なんでも。」
「そーですかぁ…あっ!そろそろ時間なので…また、来ますね。」


ニノは笑って、病室を出ていった。

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