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櫻井side



荒くなる息遣いと
早くなる腰の動き。

甘くなる声とか、
蕩けた表情とか。


全部その声が俺から出てるなんて
考えられなくて。


「やっ。…まさきぃっ…」

「や、じゃないでしょ。」


雅紀の動きがスローになつて
俺の体がわかりやすく跳ねる。


「翔ちゃん、どっちが好き？」

「ひゃっ、ぁあっ…どっちって…
なに、がっ…」

「バカだなぁ…わかるでしょ、
この状況からして。


優しくされんと、
激しくされんの、
どっちがいいかって聞いてんの」


見下ろされながら、
冷たい視線を送られながらも
俺の疼きは止まらなくて。


「っ…ぁ、」

「あ、締まったね。

…ふぅん。こんな扱いされてんのに、
やっぱり感じるんだ？」

「ちがっ…」

「違くないでしょ。ココ…
ほら、ココ。
こぉーんなになってるよ？」


蜜だらけの俺自身を握り込まれて
甘くて高い声が出た。


「あ…イっちゃったね、
んふふ、ベトベト…」


俺から出たものを面白がって
遊んでるそんな卑猥な光景。


「ほら、どうなの？
翔ちゃん、どうされたい？
素直に言ってみなよ。

…どうされたいのか。」


雅紀が俺の耳元で
そんなふうに囁くから
また、体が跳ねるんだ。


…全部全部、クスリのせいだ。

どんなにイっても
全然熱は収まらないし、
逆に昂りが大きくなるだけ。


「どうっ…てそんなのっ…」

「ね、言わないとずーっと
このままなんだよ？いいの？」


いつもより腰の速度を落とされて
また涙目になってきた。

いやいやと首を振ったって。


「だーからぁ、
それじゃわかんないって。
やなの？」

「ちがぅ…」

「じゃあ、どうされたいのか
ちゃんと言えるよね？」

「あっ…」


雅紀の声。

腰遣い。

雅紀に腰を
打ち付けられる度に疼くんだ。


堪んないから、
俺は離れられない。


───……堪んないのに、
ワケもなく生理的な涙が出てくる。